温泉場に伝わる伝説を落ち着いた目線で見てみよう。老神温泉編
温泉地には何かしらの良く言えば「ファンタジーな」、普通に言えば、「実際にはありえない」、悪く言えば「世が世なら詐欺じゃない?」的な話が多く存在する。
よくあるのが、旅人が歩き疲れて歩けなくなった時、どこからか白髪の仙人やちょっときれいで清楚なお姉さんがやって来ては手持ちの杖で崖や岩を何回か叩くといきなり温泉が湧いて来て、呆気に取られている間に白髪の仙人やお姉さんは消えているみたいな話である。
今回紹介する老神温泉もファンタジー感たっぷりの言い伝えがあるので落ち着いた目線で検証していこう。
『大昔、赤城山の神(ヘビ)と日光男体山の神(ムカデ)が戦った時、弓で射られた赤城山の神が赤城山山麓に矢を突き刺すとたちまちお湯が沸いてきたのが始まりとか。
赤城山の神がそのお湯に傷を浸すとたちまち治り、男体山の神を追うことができたことから「追い神」と呼ばれるようになり、時が経つにつれ「老神温泉」と呼ばれるようになった』というのが大まかな言い伝えである。
まず、ヘビとムカデの戦いである。
想像して欲しい・・・ヘビVSムカデである。
両方とも地べたで構えている時点で神々の戦いのわりにはかなり地味だ。
しかし、本来立つことなど出来ないムカデがヘビに矢を放つ。
まずどうやってムカデは弓矢を装備したのだろうか?
それとも槍投げの要領でブン投げたのだろうか?
そして、ヘビもヘビで矢を自分で抜いて山麓に突き刺す。
するとそこからお湯が出る。
確かに刺し所がたまたま良ければ温泉が湧くこともあるかもしれない。
そしてヘビが湯に浸かると傷が治りパワーアップして、再度ムカデと戦って追い払う。
ここで思う・・・なぜにムカデはヘビにトドメを刺さなかったのかと。
このように観光温泉地には数多くの言い伝えが存在する。
これからも引き続き検証していきたいと思う。